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「神学論争」を超えて ──もっと聞きたい、園部参与との丁々発止 8 [女性宮家創設論]

以下は「誤解だらけの天皇・皇室」メールマガジンからの転載です


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「神学論争」を超えて
──もっと聞きたい、園部参与との丁々発止 8
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 私は運動家ではありませんが、やむにやまれぬという思いから、組織も資金もないなか、「御代替わり諸儀礼を『国の行事』に」キャンペーンを、1人で始めました。現状では悪しき先例が踏襲されるに違いありません。改善への一歩を踏み出すために、同憂の士を心から求めます。
https://www.change.org/p/%E6%94%BF%E5%BA%9C-%E5%AE%AE%E5%86%85%E5%BA%81-%E5%BE%A1%E4%BB%A3%E6%9B%BF%E3%82%8F%E3%82%8A%E8%AB%B8%E5%84%80%E7%A4%BC%E3%82%92-%E5%9B%BD%E3%81%AE%E8%A1%8C%E4%BA%8B-%E3%81%AB

 さて、以下、拙著『検証「女性宮家」論議──「1・5代」天皇論に取り憑かれた側近たちの謀叛』からの抜粋を続けます。一部に加筆修正があります。


第2章 有識者ヒアリングおよび「論点整理」を読む

第6節 もっと聞きたい、園部参与との丁々発止──提唱者を標的にしない八木秀次高崎経済大教授の反対論


▽8 「神学論争」を超えて
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 最後に4点目です。

 園部参与に狙いを定めた八木教授の鋭い批判は、何をもたらしたでしょうか。

 女帝容認=「女性宮家」創設推進派に一撃を与えたことは確かでしょうが、辛辣(しんらつ)な批判は官僚たちの暴走を食い止められたでしょうか。推進論を反対論に転換させることができたでしょうか?

 痛罵は友情を生まず、敵対関係を深めます。感情的な対立は問題解決をもたらしません。

 たとえ天皇に刃向かう者とて、天皇の赤子(せきし)です。天皇はすべての民のため、「安かれ」と祈ります。「天皇無敵」。とすれば、敵を作る天皇・皇室論は自己矛盾です。

 八木教授は、園部参与が

「(皇位継承に関する)いわゆる男系女系論争はもはや神学論争の域に達しており」

 と「選択」24年1月号の巻頭インタビューで述べていることに対して、「揶揄(やゆ)」と批判しています。

 しかし、たとえば、すでに指摘したように、女系継承容認派が古代律令制の時代、皇族の身分や継承法を定めた「継嗣令(けいしりょう)」に

「女帝子亦同(女帝の子もまた同じ)」

 という規定があることに着目し、「女帝の子」も親王・内親王とされ、女系継承が認められていたと主張するのに対して、対極にあるはずの女系容認反対派もまた同様の読みと解釈を加え、「例外」規定だと苦しい説明をしています。

 一方、

「女(ひめみこ)も帝の子はまた同じ」

 と読むべきだという指摘もあります。つまり、天皇の兄弟、皇子と同様に、女子も(内)親王とする、と解釈すべきで、「女帝子亦同」は女性天皇の子孫についての規定ではないし、古代に女系継承が認められていた根拠とはならないというのです。同様の理解は古代史の専門家たちにもあるようです。

 園部参与がいう「神学論争」とは浮き世離れした、堂々巡りの論争という意味でしょうが、むしろ学問の未熟というべきでしょう。歴史論しかり、法律論しかりです。

 学問研究の一層の深まりこそ、緊急に求められています。「女性宮家」賛成派も反対派も、対立を超え、天皇・皇室論の学問的発展をともに目指すべきでしょう。皇室の弥栄(いやさか)を願うことについて変わりはないのです。天皇のお立場では、けっして敵ではありません。

 共同研究の実現に必要なのは、まず大局を見据えられる名プロデューサーの存在でしょうか。かつて「戦後唯一の神道思想家」と呼ばれた葦津珍彦(うずひこ)は、

「学問は一人でするものではない」

 という考えから、意見の異なる左翼研究者たちとの交わりをみずから進んで求め、天皇研究、歴史研究をみがき、親密な友誼を結びました。総合的な天皇・皇室論の深化には、学際的な協力が不可欠です。第2、第3の葦津珍彦が必要です。

 私は八木教授のリーダーシップに心から期待しています。


以上、斎藤吉久『検証「女性宮家」論議』(iBooks)から抜粋。一部に加筆修正があります

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