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温暖化だけではない!! 乾燥化する日本列島──東京の月平均湿度が40%を切ることも [気候変動]

以下は斎藤吉久メールマガジンからの転載です


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温暖化だけではない!! 乾燥化する日本列島
──東京の月平均湿度が40%を切ることも
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 最近、乾燥注意報が連日のように発令されている。空気が乾燥しているせいか、火災の発生も多いような気がする。

 消防ポンプ車が救急活動ではなくて、本来の火災消火活動のため、カネを鳴らしながら出動することが増えたように感じられる。乾燥した冬場でないのに、である。

 温暖化、亜熱帯化はよく聞かれるが、温帯モンスーン気候と区分されてきた日本列島を襲っている気候変動はそれだけではないのかも知れない。

 と思ったら、なんと驚いたことに、札幌では6日夜、最小湿度が8%まで下がったという。統計を開始した1950年以降でもっとも低い数値らしい。

 日本列島が全体的に乾燥化、いわゆる砂漠化しているということだろうか。


▽昭和30年代以降、乾燥化の傾向?

 気になったので、気象庁のデータを見てみることにした。

 まず東京の年平均湿度である。同庁HPには、1875年(明治8年)からの数値が載っているが、5年ごとに拾ってみると以下のようになる。

1880年76%。1885年77%。1890年77%。1895年74%。1900年76%。1905年76%。1910年74%。1915年75%。1920年75%。1925年74%。1930年74%。1935年72%。1940年70%。1945年72%。1950年72%。1955年70%。1960年67%。1965年64%。1970年64%。1975年64%。1980年63%。1985年67%。1990年62%。1995年60%。2000年60%。2005年57%。2010年61%。2015年68%。

 これで見ると、昭和30年ごろまでは70%台で推移してきた年平均湿度が、その後、60%台に落ち、2005年にはさらに60%を切るまでになっている。

 といっても、湿度60%といえば、それほど乾燥しているようにも見えない。しかも、最近では乾燥化の傾向が弱まり、70%台に向けて回復基調にあるようにも見える。

 もう少しくわしく見る必要がありそうだ。

 そこで次に、年平均湿度ではなくて、月々の平均湿度の推移を見てみようと思う。年平均湿度がもっとも高い1890年(年平均湿度77%)ともっとも低い2005年(同57%)を比較することにする。サンプリングの誤謬を防ぎ、より正確さを期すために、前後3年間の数値を拾ってみよう。


▽バングラの暑さと日本の蒸し暑さ
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 まず1890年(明治23年)前後である。

○1889年1月64%。2月60%。3月69%。4月73%。5月74%。6月82%。7月87%。8月83%。9月84%。10月77%。11月71%。12月67%。
○1890年1月65%。2月69%。3月74%。4月75%。5月80%。6月81%。7月85%。8月86%。9月82%。10月80%。11月74%。12月73%。
○1891年1月56%。2月60%。3月72%。4月73%。5月74%。6月80%。7月83%。8月80%。9月82%。10月71%。11月71%。12月66%。

 この数値を見て、バングラ通いをしていたころを思い出した。

 バングラですぐに覚えたベンガル語のひとつは「ビション・ゴロン(とても暑い)」で、「ビション・ゴロン」とひと言、いうとみんな笑ってくれ、初対面のバングラ人とも仲良くなれた。とにかく暑さには閉口した。

 それから数年して、いちばんお世話になったバングラ人の2人のこどもが来日したのだが、「日本はバングラより暑い」と弱り切っていたのには苦笑した。

 北緯約20度のバングラの暑さと、日本の暑さとはむろん異なる。来日した彼らのいう日本の暑さとは蒸し暑さである。

 この1890年当時は、6月から9月までの少なくとも4か月間間は80%台を維持し、もっとも乾燥する1月でさえ60%前後にしか下がらない。まさに温帯モンスーンである。


▽現実になった砂漠化

 それなら2005年(平成17年)前後はどうか。

○2004年1月42%。2月45%。3月52%。4月51%。5月67%。6月66%。7月62%。8月65%。9月68%。10月69%。11月60%。12月49%。
○2005年1月47%。2月45%。3月49%。4月54%。5月58%。6月70%。7月71%。8月68%。9月67%。10月69%。11月52%。12月39%。
2006年1月44%。2月53%。3月48%。4月57%。5月65%。6月71%。7月74%。8月69%。9月68%。10月66%。11月59%。12月52%。

 もはや月平均湿度が80%になる月はない。冬から春にかけては40%台に落ちるまでになり、とくに2005年12月は40%を切っている。どうやら砂漠化は現実らしい。

 それなら札幌はどうだろうか。1890年と2005年を比較してみる。

○1890年1月81%。2月87%。3月78%。4月68%。5月65%。6月79%。7月80%。8月80%。9月86%。10月82%。11月81%。12月82%。
○2005年1月71%。2月70%。3月66%。4月65%。5月65%。6月69%。7月75%。8月72%。9月69%。10月64%。11月66%。12月65%。

 蒸し暑さとは無縁の爽やかな北海道では、夏はいちだんと乾燥し、冬も本州並みに湿度が下がっているように見える。


▽憲法第一主義は砂漠化の結果か

 以上、日本列島の乾燥化は客観的データで裏付けられそうだ。

 私の関心は、気候の乾燥化それ自体もさることながら、この乾燥化が日本と日本人に何をもたらすのか、である。

 古来、湿っぽさは日本文化の揺りかごだった。伝統的日本家屋は湿潤な気候を前提に、快適に暮らす創意工夫があるし、苔むした日本庭園は高い湿度がなければ維持できない。英語でジャパンと称される漆器は湿度がなければ作られないと聞く。日本人の精神性も無関係ではあり得ない。

 いま直面している乾燥化が、過去にもある現象なのか、それとも日本人がかつて経験したことのないようなものなのか分からないが、もし後者だとすれば、乾燥化は日本の文化に変革をもたらさざるを得ない。精神文化も例外ではあり得ない。

 鈴木秀夫先生によると、一神教は気候変動によって乾燥化したナイルのほとりの砂漠で生まれ、多神教は湿潤なインドの森で生まれたとされる。日本列島が砂漠化していくとき、多神教的な日本人の宗教性は大きな変革を迫られることになるかも知れない。

 もしかして、現代の日本人が、とりわけインテリたちが、憲法第一主義など一神教的発想に染まり、あまつさえ天皇制度の原理をも変えようとしているのは、砂漠化の結果であろうか。


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