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トンガのキリスト教文化と伝統文化 [トンガ]

以下は旧「斎藤吉久のブログ」からの転載です


 皇太子殿下は、南太平洋、ポリネシアのトンガ王国を訪問され、前国王ツポウ4世の葬儀に参列されました。共同通信によると、葬儀はキリスト教式で営まれた、と伝えられていますが、ほんとうにそうなのでしょうか。
http://www.sakigake.jp/p/news/national.jsp?nid=2006091901000198

 トンガは太平洋地域では唯一の王国で、サモアとともに、ポリネシアでもっとも古い歴史を持っています。ポリネシア人が作った王国のうち、タヒチは19世紀にフランスに主権をゆずり、ハワイはアメリカに統合されましたが、トンガだけは植民地化されたことはありません。

 歴史を振り返ると、18世紀末に始まる内戦と混乱の半世紀を収拾したのがツポウ一世で、ここにトンガは統一されました。ツポウ一世はキリスト教に改宗し、以来、国内ではキリスト教が急速に広がり、西洋化が進みます。それと同時に、伝統的宗教世界が破壊されました。憲法が制定され、西洋型の議会制度が導入されましたが、それら国家制度の枠組みを作ったのはツポウ一世の顧問役となったオーストラリア人宣教師だったといいます。

 トンガはキリスト教国で、国民のほとんどが敬虔なキリスト教徒です。どんな村にも教会があります。トンガは、世界でもっともキリスト教伝道が成功した国、といわれているほどです。日曜日になると、人々は朝から伝統のウム料理をつくり、民族衣装のタオパラで正装して教会に出かけます。

 そんなトンガですから、戴冠式も教会でキリスト教式にのっとって行われます。とはいいながら、必ずしも国王の即位はキリスト教式とはいい切れないのです。

 このたび亡くなったツポウ4世の戴冠式は1967年、王宮に隣接した礼拝堂で行われました。聖歌隊が讃美歌を歌い、聖職者の手で王冠が授けられると、沖合の軍艦が祝砲をとどろかせ、国中の教会が鐘を鳴らしましました。

 その二日後、こんどは伝統儀礼による即位式が行われます。王宮の庭に玉座が置かれ、天蓋の儀礼が新国王に授けられ、さらにカバ・ドリンキングという独特かつ厳粛な伝統儀礼が延々と続きます。貴族や政府高官らが車座になり、カバという植物の根の絞り汁をヤシのコップで回し飲みするのです。この儀礼を通過することによって、王の名を正式に獲得するといわれています。

 キリスト教化にもっとも成功したトンガは同時に伝統文化をきわめて大切にしている国でもあるのです。

タグ:トンガ
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