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記事も論説も分裂している、ほか [沖縄戦集団自決]

以下は旧「斎藤吉久のブログ」(平成19年12月27日木曜日)からの転載です


〈〈 本日の気になるニュース 〉〉


1、「asahi.com」12月26日、「『集団自決』に『軍の関与』復活。検定意見を実質修正」
http://www.asahi.com/politics/update/1226/TKY200712260329.html

 1つの社会現象に対して、記事や論説がこれほど分裂しているのを、少なくとも私は見たことがありません。

 記事の見出しを見ると、朝日新聞は「『集団自決』に『軍の関与』復活。検定意見を実質修正」となっています。
http://www.asahi.com/politics/update/1226/TKY200712260329.html

 以前から「軍の関与」までは削除されていませんから、これは明らかにおかしいです。

 読売は、「沖縄戦の集団自決、教科書で『軍の関与』表現承認。文科省」ですが、これも同様にヘンです。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071226it16.htm

 毎日は、「教科書検定。集団自決問題「日本軍関与』が復活。『強制』は認めず。検定審」で、これも「関与」が復活したと伝えています。
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20071227ddm001040083000c.html

 日経も「沖縄集団自決、『軍の関与』認める。教科書検定問題』となっています。
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20071227AT1G2603P26122007.html

 産経は違っていて、「異例の“再検定”で軍強制復活。集団自決訂正申請」となっています。
http://sankei.jp.msn.com/life/education/071226/edc0712262021003-n1.htm

 通信社はどうでしょう。

 共同通信は、「『軍が関与』の記述で決着。事実上『強制』認める」です。
http://www.47news.jp/CN/200712/CN2007122601000284.html

 時事通信は、「日本軍『強制』、復活せず。沖縄戦集団自決で教科書6社の訂正申請承認。文科省」となっています。
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_date2&k=2007122600466

 ちなみに沖縄のメディアはどうかといえば、沖縄タイムスは、「『軍が強制』認めず。検定審が結論」となっていて、産経と正反対の見出しになっています。
http://www.okinawatimes.co.jp/

 以上はあくまで見出しです。眺め渡した限りでは、執筆者側は「強制」を書き込みたかったけれども、認められなかった。とはいえ、「強制性」は認められた。つまり、事実上「強制」を認められた、ということになるのでしょうか。

 実際、どんな訂正申請が行われ、どういう結果になったのか、沖縄タイムスの号外と朝日新聞の記事を参考にすると、以下のような変遷が見えてきます。

 たとえば実教出版(「高校日本史B」?)の場合は……。

原文 「日本軍のくばった手榴弾で集団自害と殺し合いをさせ……」

検定後 「日本軍のくばった手榴弾で集団自害と殺し合いが起こった」

今回承認された記述 「日本軍は、住民に対して米軍への恐怖心をあおり、米軍の捕虜となることを許さないなどと指導したうえ、手榴弾を住民にくばるなどした。このような強制的な状況のもとで、住民は、集団自害と殺し合いに追い込まれた」

 東京書籍(「日本史A 現代からの歴史」)の場合は……。

原文 「集団で『自決』を強いられたものもあった」

検定後の記述 「『集団自決』に追い込まれたり……」

今回承認された記述 「日本軍によって『集団自決』(注。これを『強制集団死』と呼ぶことがある)においこまれたり(注。敵の捕虜になるよりも死を選ぶことを説く日本軍の方針が、一般の住民に対しても教育・指導されていた)」

 このようにしてみると、「日本軍が強制した」という直接的な「強制」の記述は認められず、「検定」は覆らなかったとはいえ、注目すべきことに「強制集団死」という踏み込んだ注釈を加えることが認められたり、「強制的な状況」の記述が認められたことは、朝日新聞や共同通信の見出し通り、実質的には検定意見を変更したといえるでしょう。

 それなら事実はどうだったのか、政治的な圧力のもとでの実質変更が今後、さらなる変化をもたらすのか、これについてはまたあらためて考えてみたいと思います。

 ちなみに主要各紙の論説の見出しはこうです。

朝日新聞「集団自決。学んだものは大きかった」
http://www.asahi.com/paper/editorial.html#syasetu1

読売新聞「『沖縄』教科書。“政治的訂正”の愚を繰り返すな」
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20071226ig91.htm

毎日新聞「集団自決記述『強制』排除になお疑問が残る」
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20071227k0000m070146000c.html

産経新聞「沖縄戦集団自決。禍根を残した“二重検定”」
http://sankei.jp.msn.com/life/education/071227/edc0712270306001-n1.htm

 日経は今回は論説に取り上げませんでした。

 ちなみに沖縄タイムスは「史実をぼかす政治決着。『強制』認めず『関与』へ」でした。
http://www.okinawatimes.co.jp/edi/20071227.html#no_1


2、「人民網日文版」12月26日、「日本の『草の根援助』、中国各地で調印式を開催」
http://j.peopledaily.com.cn/2007/12/26/jp20071226_81761.html

 日本政府の草の根資金協力で中国各地で学校建設などが行われているというのですが、まだそんなことに税金が使われているとは驚きです。

 宮崎正弘先生のメルマガによると、中国マネーがウォール街に進出しているというのにです。
http://www.melma.com/backnumber_45206_3942340/

 モルガンスタンレーに出資するカネがあるなら、貧困地域の学校ぐらい自分で建てるべきだし、日本がカネを出す必要もありません。


 以上、本日の気になるニュースでした。



〈〈 ひとこと 〉〉

 「屋風ユーザー」というハンドルネームの御仁から、私のブログ(メルマガ)をそっくり盗作してブログを書いているのがいる、著作権侵害行為だ、というご親切なご指摘をいただきました。

 URLまで記入されてあったので、クリックしてみると、なるほどペンネームのブログに私の記事がタイトルを変えたぐらいで、そっくりそのままコピー・アンド・ペーストされていました。

 指摘された記事だけでなく、ほかの記事もコピーされているようで、どうやらこのブログ全体が盗作でできあがっているのではないか、という疑いを持たせます。

 かんがえてみれば、私の書いた記事に関心を持ち、ある程度、賛同しているからこそ、コピーしようという発想が生まれるのでしょうから、ありがたいことでもありますが、屋風ユーザー様のいうとおり、明らかに違法です。

 じつに残念なのことには、私の記事がそのブログでどれほど関心を持たれ、読まれているのか、と思ったら、ブログ開設から2カ月以上になるというのに、まだ2000件ほどしかアクセスがありません。がっかりです。

 それにしても、PCの検索機能が発達している時代にコピペで記事を書けば、たちどころに発覚します。それが分からないのか。それとも発覚を恐れずに、コピペ・ブログをつくっているのか。だとすれば、大した度胸です。あやかりたいものです。
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軍命はないが軍が強制した集団自決!?、ほか [沖縄戦集団自決]

以下は旧「斎藤吉久のブログ」(平成19年12月16日日曜日)からの転載です


〈〈 軍命はないが軍が強制した集団自決!?──沖縄戦研究家「意見書」の論理 〉〉=「神社新報」12月17/24日号掲載の連載から

 迷走する教科書検定がヤマ場を迎えています。拙文の掲載紙が読者に届くころには検定調査審議会の最終的な結論が示されているでしょうか。

 前回、書いたように、来年度から使用される高校日本史の教科書検定で、沖縄戦の集団自決を「軍の強制」とした五社七冊の記述が削除されました。しかしその後、「軍の関与」までが否定されたかのように問題がすり替えられ、政治化します。九月末には左翼勢力が総結集したという抗議の県民大会が開かれ、「参加者十一万人」と大幅に水増しして報道されると、圧力に屈したのか、文科相は出版社から訂正申請があれば「真摯に対応したい」と譲歩しました。

 これを受けて、検定意見を付されなかった出版社までが「強制」を復活・強調する訂正を申請し、文科省みずから制度を逸脱して審議会などを開き、専門家の意見を求めることにもなりました。

 ともかくも、史実として、軍の命令はあったのか、軍の強制だったのか、いよいよ歴史の真相が客観的に明らかにされるのか、と固唾を呑んでいると先月下旬、沖縄戦研究者の意見書がこれまた異例にも公開されました。驚いたことに、その内容は「軍命はないが、軍が強制」でした。

検定を「歪曲」と批判

 公開したのは林博史・関東学院大教授本人です。

 教授のホームページ上で公開された意見書によると、教授は「学説状況などについて」「ご教示を賜りたい」と文科省から依頼された一人のようです。同省は意見書の公表を控えるようにとお願いしていましたが、「秘密裏の検定」に批判的な教授は「公開」を意見書で宣言し、実行したのです。

 意見書は今回の検定を強く非難します。それもそのはず、「強制」削除の検定は、逆に「強制」説に立つ教授の著書『沖縄戦と民衆』の記述が根拠とされます。教授は「歪曲」と猛抗議しています。

 教授の著書は「(集団自決があった渡嘉敷島では)赤松隊長から自決せよという形の自決命令は出されていないと考えられる」「(座間味島では)『集団自決』を直接、日本軍が命令したわけではない」と明記しています。これをもとに、「軍命はない」したがって「軍の強制ではない」として、「強制」削除の検定がなされたようです。

 ところが教授の歴史解釈は異なります。

 ──集団自決は日本軍の敗北の過程で各地の島々で起きた。その前提には日本軍が各地で展開した残虐行為があり、その伝聞が捕虜となることへの恐怖心をあおり、集団自決を生み出す背景となった。日本軍がいないところでは集団自決が起きていないケースが多い。軍の存在が重要な役割を果たしている。

 渡嘉敷、座間味両島では一九七〇年代、八〇年代から、戦隊長が自分は自決命令を出していないと主張していることは研究者のあいだで広く知られているが、研究者はそのことを十分認識した上で、ある一つの命令があったかどうかではなく、日本軍が上陸してから何カ月もかけて住民を集団自決へと追い込んでいった、つまり「日本軍の強制と誘導」によって集団自決が起きたことは沖縄戦研究の共通認識であると断言できる。

 要するに、軍組織の末端での直接的な軍命はないが、日本軍全体としては捕虜になることを許さない思想教育で住民に恐怖心を植え付け、あらかじめ手榴弾を配って自決せよと言い渡し、集団自決へと追い込んだのであり、軍の強制と誘導を否定することはできない。したがって、著書を根拠に「軍の強制」を削除した検定は「歪曲」「悪用」であり、間違った検定は撤回すべきだ──と教授は主張するのです。

 歴史の事実としては、教授が認めるように、渡嘉敷島の赤松戦隊長も座間味島の梅沢部隊長も集団自決を命令してはいないようです。

……続きは「神社新報」の連載「斎藤吉久の宗教的見聞録」をご覧ください。
http://www.jinja.co.jp/


〈〈 本日の気になるニュース 〉〉


1、「ゲイジャパンニュース」12月14日、「ノルウェー国教会。パートナー関係にある同性愛者の聖職就任容認」
http://gayjapannews.com/news2007/news278.htm

 北欧のノルウェーはルーテル教会を国教とし、国民の8割以上が信者といわれますが、同国の国教会は先月、同性愛者の聖職就任を多数決で容認する決定を下したのだそうです。


2、「usfl.com」12月14日、「台湾軍に連携訴える。独立阻止へ中国軍幹部」
http://www.usfl.com/Daily/News/07/12/1214_028.asp?id=57375

 台湾政府の独立志向に反対し、中国軍と連携するように訴える中国軍事科学院主任の論文が雑誌に掲載されたのだそうです。論文は陳政権を「共通の敵」と表現し、独立の動きを「政治家の陰謀」と呼んでいるようです。記事は、中国軍幹部が台湾軍に同調を求めるのは異例、と書いています。


3、「東京新聞」12月15日、「レイプ被害者にむち打ち刑。サウジ司法めぐり国際論議」
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2007121501000303.html

 記事によると、拉致され、集団レイプにあった既婚女性に対して、サウジの裁判所は禁固6カ月とむち打ち200回の刑を言い渡したのでした。女性はいっしょにいた男性と不倫関係にあったことなどが刑の根拠となっているようですが、欧米メディアは女性の権利の視点などから大々的に報道していると伝えられます。


 以上、本日の気になるニュースでした。


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集団自決強制説はどこまで妥当か、ほか [沖縄戦集団自決]

以下は旧「斎藤吉久のブログ」(平成19年12月7日金曜日)からの転載です


◇10月から週刊(火曜日発行)の「誤解だらけの天皇・皇室」メールマガジンがスタートしました。
今週発行の第8号のテーマは「知られざる『さば』の行事」──明治時代まで1000年以上続いた天皇の祈り」です。
http://www.melma.com/backnumber_170937/



〈〈 本日の気になるニュース 〉〉


1、「朝日新聞」12月7日、「沖縄戦集団自決『多様な要因』。教科書問題で審議会」
http://www.asahi.com/national/update/1207/TKY200712070178.html

 教科書検定がヤマ場を迎えているようです。9月の県民大会後、異例にも開かれることになった検定調査審議会(文科省の審議会)は、「軍官民一体となった沖縄戦で、集団自決は多様な要因で起きている」という考えをまとめ、訂正申請を提出している教科書会社に伝えているのだそうです。

 朝日の記事はそこまでですが、NHKの報道では、「集団自決の関して、日本軍の命令を示す資料は見つかっていない」とする指針を改めてまとめていたと伝えられています。
http://www3.nhk.or.jp/knews/news/2007/12/07/t20071207000048.html

 いつものにわか勉強で知ったことですが、沖縄集団自決問題はけっこう複雑のようです。

 同じ「強制」説の研究者でも、県史編纂に関わった大城将保さんは「軍命はあった」説です(『沖縄戦の真実と歪曲』)。しかし文科省への意見書を先日、ネットで公開した林博史・関東学院大学教授は「軍命はない」の立場です(『沖縄戦と民衆』)。

 先日も書いたことですが、教授によると、集団自決は日本軍の敗北の過程で各地の島々で起きた。その前提には日本軍が各地で展開した残虐行為があり、その伝聞が捕虜となることへの恐怖心をあおり、集団自決を生み出す背景となった。日本軍がいないところでは集団自決が起きていないケースが多い。軍の存在が重要な役割を果たしている。

 渡嘉敷、座間味両島では1970年代、80年代から、戦隊長が自分は自決命令を出していないと主張していることは研究者のあいだで広く知られているが、研究者はそのことを十分認識した上で、ある一つの命令があったかどうかではなく、日本軍が上陸してから何カ月もかけて住民を集団自決へと追い込んでいった、つまり「日本軍の強制と誘導」によって集団自決が起きたことは沖縄戦研究の共通認識であると断言できる、と主張しています。

 つまり、教授は、軍の組織的意思として明示された軍命が事実としてあったか、なかったか、ではなく、あくまで住民の視点で見て、軍命があるとしか受け取れないような状況が創り出されていたことが重要だと指摘し、それは実質的には「日本軍による命令」というしかない、と解釈するのです。

 審議会が実際にどのような考え方をまとめたのか、報道からは断片的にしか分かりません。朝日の記事が伝える「多様な要因」は、集団自決だけでなく、何にでもいえるごく当たり前の理解でしかありません。

 研究者が主張している、一般常識的な意味とは様相が異なる、難解な「強制」説がどこまで歴史論として妥当なのか、それと同時に、歴史教科書にそのような「強制」説を載せることに歴史教育として意味があるのかどうか、冷静に検討されるべきなのではないでしょうか。

 なお、このような動きに対して、文科相は「コメントできない」と記者会見で述べています。
http://sankei.jp.msn.com/life/education/071207/edc0712071126001-n1.htm


2、「MNS産経ニュース」12月7日、「ウイグル人権活動家との勉強会を中止。民主訪中団に配慮」
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/071207/stt0712070021000-n1.htm

 「相手の嫌がることをあえてする必要はない」という高潔なる美徳はねじれ国会で野党にも感染したようです。

 民主党の幹事長は、前国会議員らがウイグルの人権問題に関する勉強会を開こうとしていたのを中止させたのだそうです。

 ダライ・ラマと会談したまではよかったのですが、そのあと中国大使館から抗議文が届いたとのことで、簡単に腰が砕けたということでしょうか。長いものに巻かれて、政治家がつとまるんでしょうか。

 AP電によると、マレーシアでのイベントに参加していたミス・チベットの女性は、主催者からたすきに「中国」の併記を求められ、参加を辞退した上にインドに帰ったそうです。
http://www.cnn.co.jp/showbiz/CNN200712060024.html

 日本の政治家は恥を知るべきではないでしょうか。


3、「朝鮮日報」12月7日、「カーター元大統領、米中国交正常化の秘話明かす」
http://www.chosunonline.com/article/20071207000036

 アメリカの国立公文書館が先般、公表した秘密記録によれば、ニクソン政権が中国の核開発能力を過大に評価していたということが判明しました。このことが米中国交正常化につながった可能性を示唆するものと思われます。

 しかし今日のこの朝鮮日報の記事によると、中国の経済発展と引き替えに、アメリカが台湾に兵器の供与を認めたことによって、米中正常化が可能になった。それはトウ小平の決断によるものだった、と伝えられています。


4、「J-CASTニュース」12月6日、「『独島』はOK、『竹島』は不適切。MS『Xbox』の判断にネット騒然」
http://www.j-cast.com/2007/12/06014245.html

 ゲーム機のXboxでプロフィールをつくるとき、住所を「独島」とするのは認められ、「竹島」にすると「不適切な表現」というエラーメッセージが表示されるそうで、2チャンネルなどで騒然となっているようです。

 マイクロソフト社は「現在調査中」と取材に答えたのだとか。

 バーチャルなゲームの世界が竹島問題という現実を浮き彫りにしています。


5、「MNS産経ニュース」12月5日、「仏大統領、植民地時代の謝罪せず。アルジェリア」
http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/071205/mds0712052244003-n1.htm

 サルコジ大統領はアルジェリアへの公式訪問で、植民地時代に関する謝罪をしませんでした。大学での演説では「双方の苦痛は忘れてはならないが、未来をいっしょに見つめよう」と呼びかけたようです。

 アルジェリアのメディアは謝罪を求めましたが、アルジェリアの内相は「謝罪が必要かどうか分からない」と語ったのだそうです。

 植民地時代を謝罪する国はあまりないものと思います。

 イギリスが入植したオセアニアでは筆舌に尽くせないような悲惨なできごとがあったといわれます。やがて1988年、建国200年に湧くオーストラリアのブリスベンで万国博が開かれたとき、記念式典で人々が注目したのは、先住民の代表がガラス玉などをエリザベス女王に返還する儀式でした。

 200年前、入植者は子供だましのようなガラス玉と引き替えに広大な土地を奪われたのでした。同じガラス玉と引き替えに父祖の土地を帰して欲しい、という意思表示だったのです。

 しかし、イギリスもオーストラリアも、先住民アボリジニに謝罪したとは聞きません。


6、「長崎新聞」12月6日、「教会群アピールで大型イベント。2012年に開催」
http://www.nagasaki-np.co.jp/kiji/20071206/01.shtml

 金子知事は、5日、県議会で、長崎の教会群が世界遺産の暫定リストに入ったのを機に、大型イベントを開催する考えを明らかにしたのだそうです。

 何度か触れましたように、長崎では県をあげて登録運動が展開されています。県のホームページによると、平成18年11月の県議会文教委員会で教育長は次のように登録に向けた提案を説明しています。

 「本県には、他県に類を見ない本県ならではのすばらしい歴史や文化が数多くあります。そのうち『長崎の教会群とキリスト教関連遺産』については、文化財としての価値が定まり、また、文化財保護法や条例などにより制度的に保護され、併せて、所有者による保存管理が適切になされていることから、長崎市など5市2町と共同で、文化庁に対して世界文化遺産への登録に向けた提案を11月29日に行ったところであります」

 宗教施設を文化財として行政が支援するのはけっこうなことです。しかし、教会指導者はこうした行政の姿勢をどのように捉えているのでしょうか。

 というのも、たとえば、長崎の大司教は「政教分離の諸規定はできるだけ厳格に解釈されるべきです」「憲法89条では公金が宗教団体のために支出されることが禁じられています」(「信教の自由と政教分離」日本カトリック司教協議会ら編著、2007年)などと教会の文書で表明し、「神権天皇制」や「国家神道」を批判しているからです。

 神道については厳格な政教分離主義を主張し、自分たちについては厳格さを求めない、というのなら、教会指導者の政教分離論は完全な二枚舌ということになります。


7、「くまにちコム」12月5日、「関係改善へ、北京で会合か。中国とバチカン」
http://kumanichi.com/news/kyodo/index.cfm?id=20071205000256&cid=international

 11月下旬に北京で会合したらしいという香港英字紙の報道です。関係改善の動きが水面下で活発化しているようです。


8、「京都新聞」12月6日、「十二単のマリア像、バチカンへ。上京の西陣織製造販売会社制作」
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007120600076&genre=K1&area=K1B

 西陣織の聖母子像が制作されたのだそうです。近くローマを訪問する日本カトリック司教団から教皇にプレゼントされるのだとか。


 以上、本日の気になるニュースでした。
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軍命はないが軍が強制した、ほか [沖縄戦集団自決]

以下は旧「斎藤吉久のブログ」(平成19年11月28日水曜日)からの転載です


◇先月から週刊(火曜日発行)の「誤解だらけの天皇・皇室」メールマガジンがスタートしました。
今週発行の第7号のテーマは「白酒と黒酒──新嘗祭に捧げられる2種類の神酒」です。
http://www.melma.com/backnumber_170937/



〈〈 本日の気になるニュース 〉〉


1、「asahi.com」11月27日、「『集団自決、検定意見撤回を』。沖縄戦の専門家が意見書」
http://www.asahi.com/life/update/1127/TKY200711270157.html

 記事によれば、教科書会社から訂正申請について検討するため、教科用図書検定調査審議会から意見を求められた沖縄戦研究者の林博史・関東学院大学教授が、当局に提出した意見書の内容を公開しました。集団自決が日本軍の強制と誘導によって起きたこと、日本軍の存在が決定的であったことは沖縄戦研究の共通認識である、として、「日本軍の強制」を削除した検定意見を撤回すべきだとしています。

 林教授の意見書は教授のホームページからダウンロードできるようになっています。
http://www32.ocn.ne.jp/~modernh/essay99.htm

 この意見書によると、文科省は「学説状況などについて」「ご教示を賜りたい」と依頼したもののようですが、教授は意見書の冒頭、教科書検定に対する批判をひとしきり述べたあと、「ご依頼の内容」、つまり「学説状況」というより、もっぱら自著の『沖縄戦と民衆』についての解説に終始したあと、検定過程で自著の叙述が根拠とされたことについて「歪曲」「歪んだ検定」と抗議し、「検定意見を撤回すべきだ」と締めくくっています。

 しかし、審議会による「歪曲」には理由がありそうです。意見書のなかで教授が明記しているように、教授の著書には「赤松隊長から自決せよという形の自決命令は出されていないと考えられる」「『集団自決』を直接、日本軍が命令したわけではない」と記述されているからです。

 教授によれば、1970年代、80年代から戦隊長が自決命令を出していないと主張していることは研究者のあいだで広く知られているが、研究者はそのことを十分認識した上で、ある一つの命令があったかどうかではなく、日本軍が上陸してから何カ月もかけて住民を集団自決へと追い込んでいった、つまり「日本軍の強制と誘導」で集団自決が起きた、と主張するのです。

 直接の命令はなかったけれども、軍は捕虜になることを許さない思想教育で住民に恐怖心を植え付け、あらかじめ手榴弾を配って自決せよと言い渡し、集団自決へと追い込んだのは、軍の強制だという論理です。

 組織の命令の最終段階が欠けていた、というのか、明示的ではないが暗黙の軍の組織的意思が働いていた、というのか、私にはよく飲み込めません。状況をつくった原因を「日本軍」だと一元的に決めていいものなのか、疑問もあります。

 もう一度、教科書を読んでみましょう。

 たとえば、宮原武夫、石山久男ほか14名が執筆・監修する『高校日本史B』(実教出版)は、「第8章 大日本帝国の展開 15、日本の敗戦 十五年戦争は何をもたらしたか」で、申請段階では「この過程で日本軍は、県民を壕から追い出し、スパイ容疑で殺害し、日本軍の配った手榴弾で集団自決と殺し合いをさせ……」と記述していましたが、「誤解するおそれがある」との指摘を受けて、「日本軍は県民を壕から追い出したり、スパイ容疑で殺害したりした。また、日本軍の配った手榴弾で集団自決と殺し合いが起こった」と修正しました。

 直接の軍命がないのだとすれば、修正後の方が日本語として相応しいようにも見えますが、研究書における歴史解釈はともかく、どうしても教科書に「日本軍の強制」を書き込まなければ済まされない特別の理由が何かあるのでしょうか。


2、「日経ネット」11月28日、「ダライ・ラマ14世、「指導体制、住民投票で決定を」
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20071128AT2M2800N28112007.html

 自身の後継者選びなどについて、そのような考えを示したのだそうです。


3、「MNS産経ニュース」11月27日、「『日本の妨害は無駄だ』。北朝鮮紙」
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/071127/kor0711272240007-n1.htm

 アメリカがテロ支援国家指定解除に向けて動いているのを、「日本が妨害しても無駄だ」「卵戸磐を割ろうとする愚かな行為」と「労働新聞」が論評しているのだそうです。

 中央日報によれば、「道化師」とまで呼んでいるようです。自信たっぷりで、余裕を感じさせます。
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=93246&servcode=500§code=500


4、「MNS産経ニュース」11月28日、「中国駆逐艦が初来日」
http://sankei.jp.msn.com/world/china/071128/chn0711281315002-n1.htm

 中国軍艦艇の来日は昭和9年以来で、中華人民共和国建国後では初めてだそうです。信頼醸成が目的というのですが……。

 人民網日文版もさっそく画像つきで伝えています。
http://j.people.com.cn/2007/11/28/jp20071128_80347.html


 以上、本日の気になるニュースでした。

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集団自決。合格した教科書も訂正を申請 [沖縄戦集団自決]

以下は旧「斎藤吉久のブログ」(平成19年11月13日火曜日)からの転載です


◇先月から週刊(火曜日発行)の「誤解だらけの天皇・皇室」メールマガジンがスタートしました。今日発行の第5号のテーマは「『国平らかに、民安かれ』と祈る天皇」です。
http://www.melma.com/backnumber_170937/



〈〈 本日の気になるニュース 〉〉


「時事通信出版局」11月12日、「合格の教科書も訂正申請。集団自決検定問題」
http://book.jiji.com/kyouin/cgi-bin/edu.cgi?20071112-3

 検定意見が付かずに合格していた第一学習社の教科書も、「軍による強制」を書き込む訂正を申請したようです。

 来年度から使用される高校日本史の教科書で、沖縄戦に関して、「誤解するおそれのある表現」という検定意見を受け、修正したのは5社7種類の教科書でした。

 公表されている「修正表」によると、修正前と修正後は以下のようになっています。

□山川出版社「日本史A」(高村直助、高埜利彦ほか)203ページ囲み

「日本軍によって壕を追い出され、あるいは集団自決に追い込まれた住民もあった」
 ↓
「その中には日本軍に壕から追い出されたれたり、自決した住民もいた」

□東京書籍「日本史A」(田中彰ほか)158ページ

「日本軍がスパイ容疑で虐殺した一般住民や、集団で『自決』を強いられたものもあった」
 ↓
「『集団自決』に追い込まれたり、日本軍がスパイ容疑で虐殺した一般住民もあった」

□三省堂「日本史A」(青木美智男、深谷克己、鈴木正幸、木村茂光ほか)122ページ

「日本軍に『集団自決』を強いられたり、戦闘の邪魔になるとか、スパイ容疑をかけられて殺害された人も多く」
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「追い詰められて『集団自決』した人や、戦闘の邪魔になるとかスパイ容疑を理由に殺害された人も多く」

□三省堂「日本史B」(青木美智男、深谷克己、鈴木正幸、木村茂光ほか)226ページ

「さらに日本軍に『集団自決』を強いられたり、戦闘の邪魔になるとか、スパイ容疑をかけられて殺害された人も多く」
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「追い詰められて『集団自決』した人や、戦闘の邪魔になるとかスパイ容疑を理由に殺害された人も多く」

□実教出版「日本史B」(宮原武夫、石山久男ほか)206ページ

「日本軍は、県民を壕から追い出し、スパイ容疑で殺害し、日本軍の配った手榴弾で集団自害と殺し合いをさせ、800人以上の犠牲者を出した」
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「日本軍は、県民を壕から追い出したり、スパイ容疑で殺害したりした。また、日本軍の配った手榴弾で集団自害と殺し合いが起こった。犠牲者は合わせて800人以上にのぼった」

□実教出版「日本史B」(脇田修、大山喬平ほか)349ページ

「日本軍により、県民が戦闘の妨げになるなどで集団自決に追いやられたり、幼児を殺されたり、スパイ容疑などの理由で殺害されたりする事件が多発した」
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「県民が日本軍の戦闘の妨げになるなどで集団自決に追いやられたり、日本軍により幼児を殺害されたり、スパイ容疑などの理由で殺害されたりする事件が多発した」

□清水書院「日本史B」(加藤友康、荒野泰典、伊藤純郎ほか)223ページ

「なかには日本軍に集団自決を強制された人もいた」
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「なかには集団自決に追い込まれた人々もいた。この沖縄戦ではおよそ12万の沖縄県民(軍人・軍属、一般住民)が死亡した」

 このようにしてみると、集団自決に関する「軍の強制」は削除されましたが、「軍の関与」までは否定されていません。

 9月29日の沖縄県民大会の決議文は

「日本軍による関与なしに起こりえなかったことは紛れもない事実」などとして、

「県民の総意として国に対し、検定意見が撤回され、記述の回復がただちに行われるよう決議する」

 ととなっていますが、検定がすでに「軍の関与」は認めている以上、この決議文は客観性に欠けると言えます。

 10月18日の九州県知事会議の決議も同様です。

「日本軍による命令・強制・誘導等の表現を削除・修正した」は事実に反します。

 民間人がふつうにもっているはずもない手榴弾が集団自決に使われたのだとすれば、「軍の関与」は当然でしょう。

 しかし昨日のメルマガにも書きましたように、座間味島では昭和50年代に村の当事者が「軍の命令」を否定する証言をし、これを受けて沖縄県教育委員会は『沖縄資料編集所紀要11』(1986年)に梅沢元隊長の「戦闘記録」を載せ、『県史』の訂正に代え、そのことについて、当時の新聞は「部隊長の玉砕命令はなかった」と報道したのでした(宮城晴美『母が遺したもの』)。

 渡嘉敷島についても、最近になって、戦後の援護業務に携わった琉球政府の元職員が

「遺族たちに戦傷病者戦没者遺族等援護法を適用するため、軍による命令ということにし、自分たちで書類を作った」

「隊長が手榴弾を渡したというのも嘘」(昨年8月27日づけ産経新聞)

 と証言し、軍の強制を否定しています。「軍命による玉砕」は何とも切ないことに、遺族年金を得るための方便でした。

 過去の史実どころか、目の前の事実までも無視して、歴史や歴史教育を論じることに矛盾はないのでしょうか。

 そういえば、「11万人の県民大会」も事実ではなかったようです。報道では、県民大会を主催した実行委員会は

「県議会、県婦人連合会、県遺族連合 会など22団体で構成」

 と伝えられていましたが、実態は反政府団体が総動員されていたと聞きます。表面に出てくるのは都合のいい事実だけといえます。「県議会」ほかは利用の対象なのでしょう。

 なぜそこまでして「軍の強制」を盛り込み、高校生に「日本軍の悪行」をことさら教えなければならないのでしょうか。

 12月3日には、「大江・岩波裁判」の支援者らが検定意見撤回に向けて、全国集会を開くのだそうです。場所は、かつて軍人会館と呼ばれた九段開館です。
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200711101300_02.html

 どうしてこうも好戦的なのか。


 以上、本日の気になるニュースでした。

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